いい介護施設だなぁ〜と思うところはどんなところ?
ぼくは今、デイサービスで働いています。
今のデイサービスで働く前に、2箇所の介護施設を経験しました。
ひとつは大規模なデイサービス。もうひとつは老人保険施設(老健といわれる施設)。
そもそも介護施設で働くときは、施設の形態が自分に合っているかが重要になってきます。
たとえば、特別養護老人ホームであれば夜勤があったり見取りがあったり、寝たきりの方も多いので身体介護がメインになってきます。
デイサービスでは、生活介護やリハビリ・レクリエーションがメインとなり、送迎があります。
そうした職務の内容を事前に知っておくことは、これから介護業界で働こうと考えている方にはとても重要な情報ですし、他の施設から職場を変える人にとっても重要な情報です。
職場体験などを通じて慎重に決めることをお勧めします。
これはなにも介護職員だけのことではなく、要介護者や介護者の方々も施設を選ぶときの基準位なったりします。
職務内容自体はどこの介護施設も一緒です。介護保険制度によってサービスの内容がある程度決められているからです。
ですが、施設の雰囲気や姿勢、目的や目標は施設によってかなり違いがあります。
とくに働く環境や人に関しては、その施設で働いてみないとわかりません。
いい介護施設の条件を自分で持っておく
ぼくは全くの他業種から介護業界に転職しました。
はじめて働いた介護施設(デイサービス)が自分に合っていなくて、その施設で2年お世話になったのちに、施設を変わることにしました。
次に働いたのもデイサービスですが、今はその施設で楽しく働いています。
たとえばぼくが介護施設を職場体験・体験利用するなら、次のようなことを見てきます。
介護職員が明るく楽しそうに働いているか
介護は対人支援・対人サービスですので、働く人の存在がいちばん重要になってきます。
いくら最新設備や流行の娯楽を取り入れていても、働いている人が暗かったり態度や姿勢が悪かったりすると台無しなのです。
ぼくは、職員の顔つきを見るようにしています。
怖そうな顔や雰囲気を醸し出している人がいないかどうか。来客のときだけ程よく振る舞っていないかどうかなど。
笑顔で利用者さんと接しているかどうかなどです。
介護職員が明るく挨拶できているか
職員が大きな声で明るく挨拶できているかどうかも重要です。
来客に対し「もてなす気持ち」があるかどうかがわかります。
また、来客への挨拶ができるってことは、来客があることを事前に共有しているということだと思うので働きやすさも確認することができます。
利用者さんの表情は明るいか
利用者さんからも挨拶がある施設は風通しがいい施設でしょう。
閉鎖的な空間だと、お客さんを部外者だと思って警戒します。逆に開放的な空間だと「いらっしゃい!」といったように迎え入れてくれます。
そういった空気を職員が作っている環境は、利用者さんの表情も明るく生き生きとしています。
介護職員の言葉遣いは丁寧か
呼び捨て・タメ口・ちゃん呼び・命令口調・感情的な言葉。
介護施設はバタバタして忙しいので、焦る気持ちが出てしまい言葉遣いが乱暴になりがちです。
忙しくても丁寧な言葉遣いができているかどうか。言葉遣いはものすごく重要です。
身体介護は他の職員と一緒に作業することが多く、人間関係が良好でないと対人ストレスが積み重なってしまいます。離職の原因に対人ストレスが上位にあるのです。
イライラしたスタッフがいると、利用者さんの居心地を壊してしまします。とくに認知症の方はその負の感情を受け取ってしまい、問題行動につながったりします。
年配の介護職員も働いているか
70歳を過ぎても、現役で働いている介護職員は沢山いらっしゃいます。
高齢になっても働ける環境・仕組みがあるということです。
人員不足で働いてもらっているのか、それとも必要とされて働きやすい環境や条件を用意してもらっているのかは、その職員の姿勢でわかります。
人を大事にしている施設がどうかがわかります。
積極的に運動をしているか
積極的に散歩へ行ったり歩行訓練をしたりしているかどうかも大事です。
椅子に座っているだけでは、高齢者はあっという間に足腰の筋力が衰えていきます。認知機能の低下も早くなります。
歩いたり、レクリエーションをして体を動かすことを積極的に行っている施設は、利用者さんのことを大事にしています。ご家族の介護負担のことも考えて、介護のプログラムを組んでいる証拠です。
ボランティアの方が出入りしているか
地域との接点があるかを見ることができます。
積極的にボランティアさんの受け入れをしているということは、地域との接点を持ち介護施設の発信をしていることにもなります。
介護施設は地域の人によって支えられているので、外部の人間も出入りしやすい施設は、開けた施設といえるでしょう。
よくない介護施設とは
簡単に言えば、いい介護施設とは逆のことです。
- 介護職員が暗い
- 挨拶ができていない
- 利用者さんが暗い
- 言葉遣いが乱暴
- 若いスタッフだけしかいない
- 利用者さんが座ったままで
などです。
若い介護職員しかいないのは
一概には言えませんが、
若い人しかいないということは、経験を積んだ介護職員が残っていないということが言えます。これは人生経験という意味合いも含みます。
介護職員は資格がなくてもできる仕事なので、単発でアルバイトしたり派遣で短期間だけ働いたりもできてしまいます。
人材不足で困っている施設が多いので、そうした雇用で人材を確保するしかないというのも現実としてあるのです。
人が頻繁に入れ替わる施設は、サービスの質が向上していきません。また利用者さんとの人間関係が積み重なっていくことも少ないです。
指導する立場の人間がいるかどうかも大事です。
なので、ある程度年配の方も働いている施設というのは、決して悪いことではないのです。
介護施設はどこも一緒、ではない
介護施設で働く人も・介護施設を利用する人も、
「介護施設はどこも一緒でしょ」
なんて考えていると、全く違う結果になります。
ぼくは3か所目で働きやすい環境に巡り会えましたが、合わない施設ばかりに飛び込んでしまい、職場を転々とする人は結構います。
利用する方も、いろんな施設と契約してしまい「どこが良いのかわからないから、どこでも一緒」と諦めている方もいます。
ですが、介護施設は1日の時間の大半を過ごしたり、終のすみかになる場所です。
極端な話、介護施設で寿命が伸びたり、介護がより楽になったり大変になったりすることもあるのです。
施設選びは簡単ではありませんが、介護施設の基準を持っておくと判断材料になります。
ぼくも介護職員として、いい介護ができるように意識していきたいと思います。