デイサービスのレクリエーションで気をつけていること・意識していること
ぼくがデイサービスのレクリエーション一番気をつけていることは、
場の雰囲気を盛り上げることです。
ゲームの面白さや新しさなどは二の次で、とにかく盛り上がっている雰囲気を醸し出すことです。
声を出します。手拍子をします。オーバーリアクションをします。
ゲーム自体がレクリエーションなのではなく、職員の動きやテンションもレクリエーションのひとつだと考えて、利用者さんに楽しんでもらうようにしています。
デイサービスのレクリエションとは
デイサービスでは、だいたい15時から16時までのあいだ、レクリエーションの時間があります。
体を動かしたり頭を動かしたりすることを目的として、利用者さん全員でできる簡単なゲームなどをします。
デイサービスのレクリエーションは毎日ある
レクリエーションの時間は毎日ありますので、定番ゲームなどはある程度決まっているのではないでしょうか。
ぼくがよくやる定番のレクリエーションは「お手玉投げ」です。
お手玉を投げる定番のレクリエーション
利用者さん、お手玉を5個ずつ配っていきます。
フロアの中心に椅子を置き、少し離れたところにカゴをいくつか置きます。カゴは大・小さまざまな大きさで4箇所くらい設置します。
大きいカゴは10点・小さいカゴは100点など、点数をそれぞれ設定します。
利用者さんには椅子に座ってもらい、その位置からお手玉を投げてもらって点数を競うというものです。
単純なレクリエーションをやる理由
こうした単純なレクリエーションをやる意味は、自立度の高い利用者さんも、認知症のある利用者さんも同時にレクリエーションに参加できることにあります。
自立度の高い方には少々退屈なゲームに感じるかもしれませんが、認知症の方には複雑な動作が含まれています。
- 椅子まで案内する
- 椅子に座る
- ゲームの内容とルールを伝える
- カゴを狙ってお手玉を投げてもらう
- 高得点を狙ってもらう
- 自分の席に戻ってもらう
ゲームに必要などうさは、細かく分けるとこれだけの動作があります。
認知症の方は、このひとつひとつの動作が伝わらなかったり把握できなかったりすることがあるんです。
認知症の方が参加できないレクリエーションをしてしまうと
認知症の方が参加できないレクリエーションをしてしまうと、参加者が絞られてしまいレクリエーション自体が盛り上がりません。
自立度の高い方も高齢の方も認知症の方も、一緒になってゲームに参加するからこそ、盛り上がるし、意味があるのだと思っています。
複雑でルールの難しいゲームはできません。だからこそ、場の雰囲気を盛り上げる介護スタッフのマンパワーが必要になってくるわけです。
レクリエーションで怪我をさせたら意味がないので
盛り上げることも大事なのですが、そもそもリハビリの目的で行っていることもあるので、体を痛めたり、転倒したりしたらそれこそ本末転倒です。
盛り上げながらも、事故のないようにレクリエーションを進めることがとても重要になってきます。
レクリエーションの前には準備運動をしっかりする
たとえば対戦型のゲームをする場合。
「風船バレー」などのチーム対抗戦になると、思った以上に白熱することがあります。普段ゆっくりな動作の高齢者が、目の色を変えてアドレナリン全開で素早い動きでゲームに熱中します。
肩をブン回し、席を立ち上がってゲームに真剣になるのはいいのですが、後に肩を痛めたり、呼吸が苦しくなってしまったりすると大変です。
しっかり準備運動を行い、ゲームの途中で休憩を挟むなどしてヒートアップさせないようにします。
利用者さん同士が喧嘩しないように配席する
これもチーム対抗戦などのゲームをやる場合のことですが、認知症の方の配席には注意します。
自立度の高い人にとって、認知症の方の動作はイライラする原因になってしまうことがあります。
お手玉を投げる動作にしても、認知症の方は「投げる」ということが理解できなかったりして、いつまでも投げられずに棒立ちになってしまうこともあるのです。
そんなとき「早くなげろ!」なんて怒鳴ったりする人もいるので、なるべく近くにならないように利用者さんの位置などには注意を払います。
職員は見守りをしながらレクリエーション参加する
ゲームよっては、介護職員も一緒に参加することがあります。
夢中になってしまうこともありますが、見守りはしっかり行います。
また、高齢者に花を持たせる意味で、わざとゲームで負けたりするようにして場を盛り上げていきます。
デイサービスのレクリエーションで雰囲気作りが重要なわけ
利用者さんはゲーム自体が面白いわけではないと思います。
介護職員の人が頑張ってやってくれているから、
「まぁしょうがないからやってやるかぁ」というように、デイサービスのレクリエーションに参加してくれている方もいるのです。
だからこそぼくは元気よく、レクリエーションをやろうと思っています。
楽しい雰囲気を作るには
まず、元気よく声を出すこと。
そもそも声が小さいと、高齢者は耳が遠い方もいらっしゃるので聞こえません。
- リアクションは大きめに
- ゲームでは下手くそを演じる
- 拍手や手拍子をして応援する
- 個人名を呼んで応援する
高齢者に笑ってもらえるように、自分を演出するようにしています。
レクリエーションが盛り上がらないと
レクリエーションが盛り上がっていると、利用者さんの意識がレクリエーションに集中するため、見守りがしやすくなります。
また、楽しい雰囲気を作っておくと、認知症の方の不穏な行動は比較的でにくくなります。
逆に盛り上がっていないレクリエーションだと、利用者さんからの野次が飛んできたり、レクリエーション途中で抜けてしまう利用者さんがでたりして、収拾がつかなくなります。
一度そうなってしまうと、取り返すことができなくなって、進行できなくなったりします。
介護職員もレクリエーション楽しむ
デイサービスの介護職員としては、レクリエーションの準備は結構大変です。
アイデアを考えて道具を準備したり、進行の仕方やリスクマネジメントも必要になってきます。
時間をかけて準備したレクリエーションが盛り上がらなかったとき、ちょっと落ち込みますし、ましてや事故なんかあったりするとトラウマになったりすることもあります。
でも、レクリエーションで高齢者の方が純粋にゲームを楽しんでいる時。普段では見られないような顔が見れたとき、
「やっぱりレクリエーションを頑張ってよかったなぁ」と思うわけです。
毎日レクリエーションはありますが、高齢者の方にとってはその日その日が大切になってきます。手を抜かずにしっかりと準備をして、楽しんでやっていこうと思います。